給与計算のアウトソーシングが成功/失敗する要因は?

経理

自社の業務について、アウトソーシングを検討する際、必ず押さえておくべきポイントや考慮しておかなければならないことがあります。
給与計算も例外ではなく、ポイントを理解しておかないと費用対効果が悪くなってしまい、失敗に終わることがあります。今回は給与計算のアウトソーシングが成功/失敗する要因についてお伝えいたします。

そもそもアウトソーシング全般で気にするべきポイントは?

給与計算の人材が不足し実務が回らない場合、給与計算をアウトソーシングすると業務の滞りを改善することができるでしょう。しかし、アウトソーシングは状況によっては失敗する可能性もあります。ここでは、アウトソーシングを開始する際に気にするべきポイントをお伝えします。

アウトソーシングの方針を確認

まず、アウトソーシング会社の方針を確認します。依頼する業務内容をアウトソーシング会社が引き受け可能か、どの程度依頼し、どの程度自社で処理するかを開始する際に確認しておきましょう。

アウトソーシング先とコミュニケーションを取りあう

次に、アウトソーシング会社とは、常に連絡を取り合い、情報の食い違いが生じないようにします。アウトソーシングは派遣と異なり、誰かが来社し業務を行いません。情報に食い違いのあるまま業務が進むと、後になってからの修正に労力が必要になる場合があります。

アウトソーシング先の専門性を確認する

依頼する業務内容が、業界によっては特殊になる可能性があります。アウトソーシング会社に専門性があり、依頼業務を処理できるかの確認が必要です。

自社に経理業務の分かる人材を確保しておく

アウトソーシング会社に業務の相談をする際は、自社に経理業務の分かる人材が必要です。もし、自社に経理業務のスキルを十分に持つ人材がいない場合、アウトソーシングすること自体が困難になることも考えられます。

給与計算のアウトソーシングを検討している際に押さえておくべきポイント

給与計算のアウトソーシングを依頼する際は、給与担当者の人件費を削減することが大きな目標です。アウトソーシングのコストに対し、投資した分だけのリターンがあることが大切です。ここでは、給与計算のアウトソーシングを検討する際、押さえておくべきポイントをお伝えします。

経費がどれ位かかるか確認する

アウトソーシング会社に見積を依頼し、経費がどれ位かかるか調べることをお勧めします。自社の人件費と比較し、十分に効果が得られそうなら給与計算を依頼しましょう。

給与計算をどの程度依頼するか決めておく

給与計算について、自社で行う業務と、アウトソーシング化する業務の切り分けをはっきりと決めておくことが大切です。アウトソーシング開始時には、担当者を交えて業務内容の切り分けで認識の違いがないように、十分な打ち合わせも行うことをお勧めします。

自社に給与計算のノウハウが蓄積されにくい

給与計算を自社で行わなくなると、給与計算に必要なノウハウが蓄積されにくくなります。その結果、一度アウトソーシングを開始すると、ずっと依頼し続けることになる可能性があります。自社に給与計算の担当者不在の状態が続くと、人材育成にも繋がりにくいといえます。

給与計算のアウトソーシングが成功/失敗する理由

給与計算のアウトソーシングには成功し、また失敗した事例については、概ねパターン化されています。ここでは、それらの理由についてお伝えします。

アウトソーシング先の柔軟な対応

アウトソーシング会社によっては、急な依頼ごとに対応できる会社と、柔軟な対応の難しい会社があります。アウトソーシング会社の選定時にコミュニケーションを十分にとれば、急な案件に対応できるかの判断ができます。アウトソーシング会社が業務を行っていると、自社では処理できないこともありますので、柔軟な対応ができるかは検討しておきましょう。

目的に合ったアウトソーシング会社の選定

給与計算を受注するアウトソーシング会社には、いくつかの受注形態があります。
・自社でデータ作成し、アウトソーシング先で集計・仕訳を行う。
・給与部門をまるごと受注する。
他に、交渉により自社にあったプランを提案するアウトソーシング会社もあります。
自社の目的に合ったアウトソーシング会社を選定することが大切です。

依頼する業務の専門性を満たしている

アウトソーシング会社の専門性が低い場合、毎年の法改正に対応できない可能性があります。
特に、大企業と中小企業では法規制の異なる場合があり、その内容や違いなどの知識を持つ会社を選定しましょう。
依頼する業務内容について、業務の専門性を満たしているかは、調べておくことをお勧めします。

まとめ

業務の効率化やコスト削減のためにアウトソーシングしたのに、失敗に終わっては元も子もありません。押さえるべきポイントを必ず押さえて給与計算のアウトソーシングを成功させましょう。