経理部門にITを導入して業務効率をアップさせよう

経理

紙をはじめとしたアナログな業務が多いのが経理部門ですが、近年経理でもITを導入して業務効率をアップさせる動きが出ています。今回は経理部門にITを導入するために必要なスキルや知識などについてお伝えいたします。

なぜ経理にITが必要なのか?

経理部門は会社の中でも、業務由来の専門性が高く他の部署の社員から内容の理解しにくい部門といえます。また、経理部門は間接部門で、利益を生み出すことはありません。さらに経理業務は俗人化しやすく、経理担当者が急に退職した場合、後任者が見つからず業務が回らないこともあります。そこで、経理部門の業務改善を進め、費用を抑えた運営が求められます。
そもそも、経理業務には一定の周期性があり、時系列で業務を分けることができます。そのため、ITを利用した自動処理による業務改善が可能です。経理の業務を効率よく進め、間接部門への経費を抑えるためにも、経理にITは必要です。

経理がITを活用するために必要な知識とスキル

経理担当者は、自らがITを利用し社内で手本となるべきです。ここでは、経理担当者がITを活用するために必要な知識とスキルをお伝えします。

ソフトウェアの運用知識

ITを活用するには、パソコンやタブレット、そしてスマホの操作にも習熟する必要があります。ITはインターネットの環境で行うため、各ハードウエアの接続方法やトラブル時の対応に関する知識も必要です。

コミュニケーションツールの活用

経理担当者は、休日にも細かな作業をするために会社に行くことがあります。ミスの許されない業務由来のストレスにより、精神的にも追い詰められ、突然の離職にもつながります。コミュニケーションツールの活用は、常に忙しい経理担当者にとっては救世主となるでしょう。
コミュニケーションツールは、遠隔地との連絡や、表や動画を多用する経理関連資料を共有しながら、会議ができるので便利です。在宅ワークの普及によりサービスが多様化しているので、目的に合ったツールを組み合わせて使う企業が多くみられます。

・具体例1:「LINE WORKS
若い世代のみならず、いまや定年後の世代まで利用者が拡大しています。慣れ親しんだインターフェースであることは、ストレスなく業務に活用できます。ビジネス場面でも既読機能を使えることは他社にない特色です。

・具体例2:「Chatwork
文字でのコミュ二ケーションで圧倒的な使いやすさを誇るのがChatworkです。シンプルな操作でタスク管理機能の共有が可能。国産ツールであることも信頼の理由でしょう。

・ツールの具体例3:「Slack
チャット機能のみならず、多様なアプリとの連携に対応しているのがSlackです。広告や情報を拡散したい場面でも相性が良いです。

・ツールの具体例4:「Microsoft Teams
世界的にもっとも実績のあるビジネスチャットツールがMicrosoft Teamsです。リモートワークや遠隔地とのコミュニケーションに必要な機能が完備されています。認証方法やデータの暗号化などセキュリティ面でも圧倒的な信頼を誇ります。急いで返信が欲しい場合などに役立つ“繰り返し通知”など細かな機能が充実。

経理をIT化するメリット・デメリット

経理業務をIT化することにより、ルーティン業務の効率化をはじめ、さまざまな効果が期待できます。口座取引や明細が会計ソフトに自動で反映されたり、データをリアルタイムで集計できたりできます。一方で、留意すべきこともあります。
ここでは、経理業務IT化のメリットとデメリットをお伝えします。

経理をIT化するメリット

経理システムのIT化を導入すれば、固定化された単純作業に人的資源を投入する必要がなくなります。その分、企業の成長に直接かかわる業務に人的資源を配置できます。経理システムのIT化には次のような効果が期待できます。

メリット1:生産性の向上
経理システムのIT化により、生産性が大きく向上します。日々の入出金業務の他、請求業務や督促業務のほとんどを自動化できる上、大幅なマンパワー削減が期待されます。
単純作業に時間を取られないため、集計・分析など戦略的な経理業務にフォーカスチェンジ可能。金銭管理のためにあった経理部門から、直接的に業績に貢献する戦略的部門に成長することが期待されます。

メリット2:経理部以外の人も作業が可能に
経理システムのIT化により、タブレットなどを利用した会計業務が可能になります。現場作業担当者が伝票入力や領収証発行をリアルタイムで行うことが可能になります。伝票入力画面に入力すれば、自動的に総勘定元帳にその仕訳が累積されます。
現場での入力はもちろん、会計知識のない別部署の従業員にも経理作業のサポートが可能になります。矛盾した会計処理の入力ができないようになっているので、業務多忙や人手不足などヒューマンエラーを起因とするミスが大幅に減少するでしょう。

メリット3:経理情報を安全に共有可能に
経理システムのIT化により、リスクの低い情報共有が可能になります。
従来では、プリントアウトした社外秘資料を制作したり、USBメモリにデータをコピーしたりするなどの方法で共有していました。しかし、経理システムのIT化により、迅速に安全なデータの共有が可能になります。

経理をIT化するデメリット

経理システムのIT化を導入することによるデメリットを事前に把握すると良いです。対応策を講じておくことでスムーズに移行できるでしょう。代表的なデメリットには次のような例があります。

デメリット1:初期投資コストがかかる
経理システム導入には、ソフトウェア購入費用やデータ移行費用などがかかります。投資対効果を事前に把握し、どのくらいの期間で回収可能になるのかを算出し、事業規模に応じたランクのソフトウェアを選びましょう。

デメリット2:システム指導費用や契約が必要
経理システム導入を開始する場合、システムの使い方に精通した指導者からレクチャーが必要です。研修のみとはいえ、社外秘である経理業務を一部分でも開示することになるので、守秘義務などの契約を交わす必要があります。

デメリット3:業務停滞やトラブルの可能性
経理システムを導入した直後は、これまでと業務の進め方が変わるので、一時的に効率が悪くなる可能性があります。慣れるまでは少し戸惑うかもしれません。また、システム自体の機能を使いこなせるまでは想定外のトラブルも考えられます。導入後はサポート契約を最大限活用すると良いでしょう。

まとめ

営業やマーケティングでITを導入しているように、経理部門にもITを導入して業務効率を上げられる可能性は必ずあります。重要な知識、スキルを身につけてIT化できる業務から手を付けてみてはいかがでしょうか。