給与計算のアウトソーシングのメリット・デメリットとは?
経理
企業の総務で重要な業務の一つである「給与計算」。しかし、毎月ミスが許されない業務が発生するのは、担当者の負担が大きく、さらに人数が少ないと担当者が体調不良や退職で業務を進められなくなった時のリスクもあります。今回は今注目されている「給与計算のアウトソーシング」のメリット、デメリットについてお伝えいたします。
給与計算のアウトソーシングを利用したほうがいい場面
給与計算は、経理実務の中でも特殊なスキルが求められます。毎年改正される税法や社会保険の法令に関する知識が給与計算には必要なため、対応できるスキルを持った社員はごく限られることが一般的です。ここでは、給与計算のアウトソーシングをお勧めする場面をお伝えします。
給与担当者が退職し後任者が見つからない
給与計算のできる社員は社内に少ないことが現状です。そのため、給与担当者が突然退職すると、後任者を見つけることが難しく、給与計算に支障をきたします。給与計算に間違いは許されず、労基法などの規制もあるため訴訟に繋がることも少なくありません。給与関係で大きなトラブルとなる前に給与計算のアウトソーシングの利用をお勧めします。
会社に給与担当者を雇用する余裕がない
中小企業では、売上を獲得することが目標となり、利益を生み出さない間接部門に費用を捻出する余裕がないことが多いです。間接部門に投資する余裕がない場合は、給与計算のアウトソーシングを利用してはいかがでしょうか。
給与計算のアウトソーシングのメリット
給与計算を外注化すると、自社で人材を育成し雇用する以上のメリットがあります。アウトソーシング業者には給与計算の実務家が在籍しており、スタッフの能力のバラつきもありません。ここでは、給与計算のアウトソーシングのメリットについてお伝えいたします。
給与担当者の退職など人材不足に左右されない
給与計算の外注先には、関係法令に熟知した実務家が在籍しています。もし、給与担当者が突然退職しても、後任者を育成せずに、給与計算のプロが実務を担当します。特に給与計算が最も煩雑となる年末調整期に担当者が退職しても、滞りなく実務をこなすことができるでしょう。給与計算のアウトソーシングには、このようなメリットがあります。
給与計算の人材を育成しなくてもよい
給与計算は、他の経理業務と異なり、特別なスキルが必要です。そのスキルを持つ人材を育成するには、数年間の期間とコストなどがかかります。利益を生み出さない間接部門である給与担当に資源を費やす余裕のない中小企業では、給与計算のアウトソーシングによるメリットは大きいです。
給与計算のプロが業務を行い間違いが少ない
給与計算では、間違いが許されません。給与計算のアウトソーシング業者には、実務家が在籍しており計算間違いもありません。アウトソーシング業者には、税理士や公認会計士も在籍しているため、常に新しい法令に対応し適切な処理を行います。アウトソーシングの在籍者にはスキルに差がなく、サービスのレベルも保証されているのでお勧めです。
繁忙期に利用すると人材の負担を減らせる
毎年、年末調整の時期が給与計算では繁忙期にアウトソーシングを利用すると、給与担当者の仕事の負担を減らせます。給与担当者の過重労働を防ぐとともに、社員の定着にも繋がるメリットがあります。
給与計算のアウトソーシングのデメリット
給与計算のアウトソーシングのメリットをお伝えしましたが、利用に際しては注意点があります。中小企業では、アウトソーシング費用がかえって高くつき、自社でのスキルが身に付きにくいなどのデメリットがあります。ここでは、給与計算のアウトソーシングのデメリットをお伝えします。
小規模だとアウトソーシングコストが高くつく
会社の規模が小さいと、給与計算の処理量も少なくなり、特定期間のみ一人でこなせることもあります。社員数が概ね10人にも満たなければ、給与・会計システムを使わなくても給与計算できることがあり、給与計算のアウトソーシングによってコストが高くつくこともあります。
給与担当者のスキルが身に付きにくい
給与計算には特別なスキルが必要となり、実務を覚えるには数年のスパンが必要です。給与計算をアウトソーシングすると、自社で実務を経験する社員がいなくなるため、給与計算のスキルを持つ人材が育ちにくくなります。また、社内に給与計算のスキルが蓄積されないため、アウトソーシングを常に利用しなければなりません。
アウトソーシング業者によっては個人情報を漏洩する可能性がある
給与計算では個人情報を扱うため、情報の漏洩には注意が必要です。給与計算のアウトソーシング業者によっては、個人情報を漏洩する可能性があります。アウトソーシングの業者選定では、同業他社より極端に金額が安くないか、またホームページでのプライバシーポリシーなどを調査しましょう。
まとめ
給与計算業務はミスが許されず、複雑であることからアウトソーシングを上手く活用すると、大きなメリットを受けられます。自社の状況に合わせて、アウトソーシングするべきかそうでないか判断しましょう。