ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の市場規模と今後の動向

経理

現在のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の市場規模

ここでは、市場情報に特化したマーケティング会社である矢野経済研究所の資料に基づき、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の市場規模をご紹介します。

国内BPO市場規模の推移

国内全体でのBPO推移を次のとおりお伝えします。データは2019年度に集計されたもので、2019年度は4,349億円の市場規模です。なお2020年度以降は予測値です。

・2018年度 全体4,221億円(IT系BPO1,735億円、非IT系BPO2,476億円)
・2019年度 全体4,349億円(IT系BPO1,773億円、非IT系BPO2,576億円)
・2020年度 全体4,439億円(IT系BPO1,825億円、非IT系BPO2,614億円):予測値
・2021年度 全体4,487億円(IT系BPO1,820億円、非IT系BPO2,667億円):予測値
・2022年度 全体4,579億円(IT系BPO1,852億円、非IT系BPO2,727億円):予測値
・2023年度 全体4,660億円(IT系BPO1,884億円、非IT系BPO2,782億円):予測値
・2024年度 全体4,750億円(IT系BPO1,915億円、非IT系BPO2,835億円):予測値

以上のように、全体では、2024年度に4,750億円と2019年度の4,349億円の約9%増が見込まれています。
IT系では2024年度に1,915億円と2019年度の1,773億円の約8%増、非IT系では2024年度に2,835億円と2019年度の2,576億円の10%増、となる見込みとなり両分野で増加の傾向にあります。

国内BPO市場の概況

コロナウイルスの影響により経済状況は停滞しているものの、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタルを利用した改革)により、BPO市場は拡大しました。テレワークに取り組み企業も増えたため、業務の外注化が一般化する状況にあります。
また、労働契約法の改正に伴い、有期契約の労働者が一定の基準をクリアすると無期限契約に変更できるようになりました。そのため、有期契約の人材を雇うより、スポット依頼できるBPO化にシフトする流れもあります。

各分野のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)のトレンド

先にお伝えしたIT系BPOと非IT系BPOのトレンドをお伝えします。矢野経済研究所では、IT系BPOを発注企業からシステム運用管理業務を委託・代行する サービスとし、非IT系BPOをIT系以外の業務を委託・代行するサービスとしています。

IT系BPOのトレンド

クラウドサービスの利用拡大に伴い、データセンターに業務委託する会社が増えています。このサービスには自社でのシステム運用やヘルプデスクなどがあります。クラウドサービスを提供するベンダーも増加し、末端業務でのデータ利用から、クラウドを利用し業務効率化を図るサービス提供も開始しています。

非IT系BPOのトレンド

非IT系BPOには、経理、人事、労務、総務などの業務があります。また、外注として、かつてから普及している人材派遣からBPO会社に業務を委託するケースが増えています。派遣社員を雇用するには、法律の規制をクリアする必要があり、このことが会社に負荷となっている状況があるからです。また、非IT系BPOでは人事・経理分野での利用が特に注目されています。

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)における今後の市場動向

コロナの影響による働き方改革や少子高齢化による人材不足により、BPO化は加速する見込みです。特に収益に直接つながらない間接部門をBPO化する流れが続くことでしょう。ここでは、これまでの説明と同様に、IT系BPOと非IT系BPOに分けて今後の市場動向をご紹介します。

IT系BPOの今後の市場動向

今後も、IT系BPO市場はクラウドサービスの普及を通じたクラウドサービス事業者が提供するデータセンターの利用拡大や、企業の扱うデータ量増大によるデータセンター利用企業の増加が見込まれることから、今後も拡大基調を予測されています。

非IT系BPOの今後の市場動向

一方、非IT系BPO市場は人材不足や働き方改革やDXなどの拡大、そして人材派遣サービスからの切り替え需要などを背景に、非IT系のBPOサービス全般に対する需要はより一層高まっていく方向にあることから、今後も堅調な成長が続く見通しです。

参考:矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2577

まとめ

今後の市場動向も念頭に置きつつ、アウトソーシングする社内業務を検討しましょう。