煩雑になりがちな書類整理を効率化して業務の生産性をアップ!
経理
経理の仕事では扱う書類が多く、どうしても煩雑になりがちです。今回は業務を効率化させるための書類整理の方法とコツについてお伝えいたします。
経理で使用する主な書類
経理ではさまざまな種類の書類がありますので、上手に書類整理をすると仕事の生産性が上がり、業務効率も改善されます。経理で使用する書類には保存期間の定めがあるため、保存期間に応じて分類し保管するとよいでしょう。ここでは、経理で使用する書類を保存期間ごとに分類しお伝えします。
決算期ごとに保管する書類
会社の決算期つまり1年度の期間ごとに分類し保存する書類には以下のものがあります。
・見積書、発注書、納品書など。税務調査で必要になる場合があります。
・領収証。現金のやり取りの証明で、現金着服の防止使用。
・売上請求書。売上計上、入金確認、債権管理に利用し、水増し請求の防止に使用。
・仕入請求書。仕入計上、支払確認、債務管理に利用し、架空業者への支払防止に使用。
10年間保管する書類
10年間保管する書類は決算に関する書類で以下のものがあります。
・貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表
・総勘定元帳、固定資産台帳などはシステム帳票として出力保管
暦年単位で保管する書類
暦年単位で保管する書類は、給与に関する書類があります。所得税の計算期間が1月~12月のためです。
・給与明細、年末調整に関する書類
給与に関する書類は、社会保険のほか、税務調査で必要になる場合があります。
永久保存する書類
永久保存する書類は、以下のものがあります。
・会社設立、議事録
・契約書、保険証書
・借用書
・役員会議事録
書類の保管方法
会社の書類は保管期間に分けファイリングし、さらに段ボールの箱に入れて書庫に保管するのが一般的です。また電子データでの保管も認められている書類もあります。書類を保管する際は、税務調査に対応することを前提に、国税庁の定めに従い保管する方法をお伝えします。
国税庁のホームページで紹介されている保管方法
1.原則的な保存方法
帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。
したがって、電子計算機で作成した帳簿書類についても、原則として電子計算機からアウトプットした紙により保存する必要があります。
2.6年目以降のマイクロフィルムによる保存方法
帳簿書類の保存は、紙による保存が原則ですが、保存期間の6年目以降(一定の書類については4年目以降)の帳簿書類は、一定の要件を満たすマイクロフィルムにより保存することができます。
なお、マイクロフィルムによる保存を行う場合には、一定の基準を満たすマイクロフィルムリーダ又はマイクロフィルムリーダプリンタを設置する必要があります。
3.電磁的記録による保存方法
自己が電磁的記録により最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類で一定の要件を満たすものは、紙による保存によらず、サーバ・DVD・CD等に記録した電磁的記録(電子データ)のままで保存することができます。
なお、電磁的記録による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。また、この申請書は、備付けを開始する日の3か月前の日までに提出する必要があります。
4.一定の書類のスキャナ読取りの電磁的記録の保存方法
保存すべき書類のうち、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類以外の一定の書類については、紙による保存によらず、スキャナ読取りの電磁的記録による保存(以下スキャナ保存といいます。)を行うことができます。
なお、スキャナ保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。また、この申請書は、スキャナ保存を行おうとする日の3月前の日までに提出する必要があります。
5.電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存方法
自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類については、一定の要件の下で、紙による保存によらず、その電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルム(COM)により保存することができます。
なお、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受けることが必要です。また、この申請書は、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行おうとする日の3か月前の日までに提出する必要があります。
それぞれの内容については、国税庁のホームページで確認することをおすすめします。
書類整理のコツ
これまで、書類の種類を保管方法をお伝えしました。書類を上手に保管するにはコツがありますので、ここでは書類整理のコツをお伝えします。
その都度整理し保管する
会社の書類は種類が多いため、ため込まずにその都度整理するのがコツです。当日に整理するのが基本ですが、もし翌日以降に整理する場合には、書類の種類ごとに保管期間に分け、次回の出勤時にすぐに整理できるように準備しておきます。以前の書類がたまってしまった場合は、仕事の優先順位を上げて整理し保管しましょう。
保管の不要な書類は処分する
その都度整理し保管するのが書類整理のこつですが、中には保管の不要な書類もあります。この場合は、会社の規定に沿って、場合によってはシュレッダーにかけて処分します。不要な書類を処分をすることで書類整理に無駄がなくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?書類の保管方法やルールの整備は後回しになりがちですが、今からでも少しずつ整えていくことで業務の効率が上がります。今いる担当者や今後入ってくる方のためにも今から書類整理を進めていきましょう。