経理担当者の急な退職にも対応できる“経理アウトソーシング”とは?
経理
現在、経理担当者の人材確保に悩んでいる企業が増えています。特に経理担当者が急に退職した場合は同等のレベルの人材が会社にいないことも多く、その解決策の一つとして“経理のアウトソーシング”が注目されています。
今回は経理アウトソーシングの一般的なサービスと、外注できる経理の業務内容をご紹介します。
経理の担当者を採用することが難しくなっている
経理の業界は人材不足の状況です。ここでは経理の担当者の採用がなぜ難しいのか、その理由をお伝えします。
人口や働き方などの社会構造の変化
人材不足となる原因として、まず少子高齢化が挙げられます。少子高齢化により労働人口が減少すれば、経理の業務を担当する人材も不足します。
さらに、長時間労働の抑制や有休休暇取得の促進、そしてコロナウイルスの影響による社会構造の変化により、これまでの仕事の進め方だと人材不足に陥りやすくなります。
税制や会計制度の複雑化などにより高い専門性を求められる
経費の承認には経理の実務経験に基づく判断が必要とされるため、自動化が厳しい側面があります。経理の実務で、経費の承認を伴う処理を適正に処理できる人材は不足しています。
経理の仕事は経営者の考え方をくみ取り大量の仕事を処理しなければなりません。経営者との連携ができるには、経理の人材に社会人としての経験も必要です。社会人としての経験も兼ね備えた経理担当者は労働市場に不足しているため採用が難しくなります。
経理アウトソーシングの一般的なサービス内容
経理を他社に依頼する場合、記帳代行や決算業務、給与計算などを代行します。ここでは経理アウトソーシングの一般的な代行サービス内容をお伝えします。
日常の取引や帳簿処理
経理の業務は日々の取引を正確に記録することが基本です。売上や仕入、購買、経費処理などの日常取引の計上を代行します。
また、常業務を計上し会計帳簿の作成も代行可能です。会計帳簿は税法に準じたものか、さらに不自然な残高がないかなどの帳簿処理サービスを行います。
決算業務や分析資料の作成
経理には決算業務があり、月次、四半期、上下半期などの期間に応じて帳簿を締め切る必要があります。それらの期間に応じて計上を追い込み、間違いのない決算業務のサービスを行います。
決算期ごとに経営者は決算資料を用いて、会社の経営状況や財務状況を分析します。経理アウトソーシングでは決算書の作成に加え、各種分析資料作成を行うサービスもあります。
給与計算と年末調整
毎月行う給与計算を代行します。給与の業務には勤怠の集計や社会保険料などの計算があり、会社の規模が大きくなると給与計算だけで人材を確保することが一般的です。給与計算の代行により給与計算に必要な人件費を削減できます。
毎年12月以降、給与計算では年末調整を行います。年末の時期は会社の繁忙期と重なり年末調整に人材を配置する余裕のないことがあります。そこで年末の人材不足を解消する年末調整のサービスを行います。
経理アウトソーシングで外注できる業務
ここでは経理アウトソーシングで外注できる業務を具体的にお伝えします。
日常取引の帳簿管理
売上管理では、売上計上した後の入金個別消込と入金額と売掛金の相違調査を行います。売掛金管理で送金額が不一致となった場合は、相違額の調査に労力が必要です。売掛金管理で労力を伴う原因調査と帳簿管理を外注できます。
仕入管理では、原料や他社商品を購入した際の支払処理が必要です。仕入を誤計上すると過大な支払額を生じ資金繰りにも影響するため、正確で労力を伴う作業が必要です。これらの業務を外注できます。
購買管理では、会社が生産活動に必要な資材や材料などを購入する購買の管理を行います。購買活動は会社でコントロールしやすく、また棚卸の金額にも影響を与えるため労力が掛かります。これらの購買活動の業務を外注可能です。
経費計上では、金額の小口が多く領収書の管理や交際費などの税務の知識なども必要になります。経理アウトソーシングでは交際費や飲食費、その他経費の業務を外注できます。
決算業務
決算業務では、月次、四半期、上下半期、年次など会社に応じて締処理期間が異なります。また決算期には、引当金処理や棚卸評価、未収収益の経過勘定計上、減価償却などの経理処理が必要です。それらの処理には実務経験と専門知識が必要ですが、経理アウトソーシングに外注可能です。
給与計算
給与計算には、勤怠処理に加え、社会保険料や労働保険料の定期的な変更、源泉徴収の業務などがあり、給与からの預り金である各税金を支払う業務があります。給与計算は処理する項目が多く専門的な知識を求められます。これらの給与に関する計算処理を外注できます。
経理処理には専門性と実務経験が求められます。本記事は経理処理の人材を採用しにくい理由と経理アウトソーシングに外注できる業務をご紹介しました。特に経理担当者が急に退職した場合は、社内に同等の業務を行う人材がいない場合があります。経理担当の急な退職にも対応できる経理アウトソーシングを利用することをおすすめします。