記帳代行と経理代行は何が違う?

2021.06.28

経理

経理代行と合わせてよく聞くのが「記帳代行」。では、具体的に経理代行とは何が違うのでしょうか？今回は記帳代行の内容とメリット、そして経理代行との具体的な違いについてお伝えいたします。

記帳代行とは？

記帳代行は、経理事務が担う帳簿への記入や作成を代行するサービスです。かつて、帳簿の記入や保存は一部の白色申告のみ限定で義務付けられていました。
しかし平成26年1月の税法改正以降、白色申告者すべてに帳簿作成・保存が義務付けられています。
・多忙で経理事務まで手が回らない
・経理部署を作る余裕のない規模の会社
など、記帳しなければならず悩んでいる企業向けに、記帳代行というサービスが広まりつつあるのです。

記帳代行では、主に次のような業務を依頼できます。
・現金管理
・請求書発行
・売掛や買掛の管理
・口座管理
・給与計算や振込
・記帳と保存

以前から記帳代行を請け負う会社はありましたが、税法改正をきっかけに記帳代行サービス業者も増えています。

記帳代行と経理代行の違い

記帳代行と経理代行の違いは、それぞれの特徴を比較すると分かります。

記帳代行の特徴

記帳代行は基本的に会計ソフトへ金額を記入するのがメインです。
日々の取引を帳簿へ記入して決算書に必要な情報をまとめていくわけですが、日々の取引記録を代行してくれるのが記帳代行となります。
記帳代行では、領収書や請求書、通帳の内容について、簿記知識をもとにした仕訳、現金出納帳・売掛買掛の一覧表、試算表や総勘定元帳の作成など行います。
そのため金額の記入が多い業務やミスが許されない業務もプロへ任せられる安心感があります。

また、毎月の月次決算もスピーディーで正確なものが作れるようになります。

経理代行の特徴

今回ご紹介する経理代行サービスは、シンプルに表現すると「記帳代行＋α」です。
記帳代行で担う帳簿への記入・作成・保存に加え、経理代行では現金出納帳の照合による精査、振込や支払い業務や経理資料作成などの幅広い業務を依頼できます。

さらに経理の専門家である税理士法人による経理代行サービスなら、決算書作成や法人税申告まで依頼できます。特に経理に人員を配置する余裕のない会社にとって決算書作成は事務量の多さから相当な負担となるため、アウトソーシングできれば業務量の大幅な削減につながります。

そのため経理代行を利用すれば、記帳代行サービスよりも多くの業務を依頼できるため、自社の負担を削減可能となります。

記帳代行と経理代行の違いは「経理代行の一部が記帳代行」

簡潔に違いを表すと「記帳代行は経理代行サービスの一部」です。

経理代行サービスは、一般的な経理業務を幅広く代行してもらえます。記帳代行も経理代行業務の一部なのです。

経理代行サービスの一部を代行してくれるのが記帳代行サービスなので、代行費用は記帳代行サービスがリーズナブルです。
経理代行サービスは、記帳代行も含めた幅広い経理業務を請け負ってくれるので、その分費用も高めです。

ちなみに税理士法人の経理代行サービスだと、コンサルや確定申告まで依頼できるため費用は高くなりますが、面倒な業務を安心して任せられるというメリットがあります。

万円から5万円ほどかかります。また、税理士法人が提供している経理代行サービスを利用すれば、確定申告やコンサルティングまで依頼できますが、月々の費用は15万円前後

記帳代行のメリット

記帳代行サービスを活用すると、次のようなメリットを得られます。

①業務量の軽減
日々発生する記入や帳簿作成業務が大幅に減らせるため、経理部門を作れない企業や取引数が多くて業務圧迫に悩んでいる会社にとっては大きなメリットとなるでしょう。

②経理分野のコストカット
記帳代行サービスを利用することで、小さな会社は経理人員を雇わず正確でスピーディーな業務が可能となります。
今後、経営状況で人件費や採用コストをカットしなければならない場合も検討の余地はあるでしょう。
例えば、経理担当者が一定期間休職する場合など、必要な期間内のみ依頼も可能なので求人コスト・育成コストをカットできます。

③正確でスピーディーな経理業務
記帳代行サービス業者は、経理経験者・資格保有者などプロを集めています。
そのため、記入や仕分け、書類作成など正しい知識と豊富な経験をもとに正しく素早く経理業務をすすめてもらえます。

④基本的に1ヶ月契約なので業者変更も可能
多くの記帳代行サービス業者は1ヶ月契約を採用しています。
そのため記帳代行を依頼する際は、1ヶ月間お試し感覚で依頼し、業者との相性やサービスの質を確認できるのです。
相性が悪ければ別の記帳代行業者へ変更可能で、長く付き合える業者を探しやすいのはメリットでしょう。

まとめ

自社の課題や置かれている状況に応じて、上手く経理代行と記帳代行を使い分けていきましょう。業務効率化やコスト削減につながります。