経理担当者が突然退職⁉その理由と業務の引き継ぎで重要なこと

経理

経理担当者が突然退職してしまった経験はありませんか?突然退職が発生すると、業務の洗い出しや引き継ぎ、必要であればマニュアルの作成など、さまざまな対応が必要になります。今回は経理担当者が退職してしまう理由、急な退職で困ること、引継ぎで必要なことについてお伝えいたします。

経理担当者が急に退職してしまう理由

なぜ経理担当者は他の部門と異なり急に退職することがあります。ここでは経理担当者が急に退職する理由をご紹介します。

人間関係のため

経理の仕事は内勤を基本とし、机に向かって一人でこなすことが多いです。業務連絡や進捗などは部門間でコミュニケーションをとりますが、基本は領収書や納品書の整理と保管です。
そのため他の部門のスタッフとはつながりが薄くなります。他の部門のスタッフからは仕事の理解を得にくく、経理スタッフは社内で孤立しストレスを感じがちです。
さらに営業職のようにコミュニケーション能力よりも事務処理能力を問われ、社員間の人間関係を上手く作る余裕もなく退職することがあります。

スキルアップを図りたいため

経理の業務は定型化しているため、仕事で身に付くスキルは頭打ちになることがあります。経理の仕事に慣れると短時間で業務をこなせますが単調になりがちです。勤務先で必要なスキルを身に付けても、その会社以上のスキルを得ることは難しくなります。経理担当は人事異動が少ないことが多く、滞留していることに不満を感じ、今以上のスキルを得るため退職することがあります。

待遇面で不満があるため

経理担当の給与は、営業や現場より低く設定されることがあります。仕事の成果を数値で表しにくく、会社によっては仕事の評価が不透明です。また月末処理や年末調整の繁忙期には、残業や休日出勤など他の部署の社員より長時間労働です。経理担当者は労働時間や給与などの待遇面で不満を感じ退職することがあります。

経理担当者の急な退職で困ること

経理担当者の急な退職で困ることをお伝えします。

同じスキルを持つ人材が見つかりにくい

経理担当者は同じ職務を長く続けることが一般的です。経理事務には、日次、月次、年次のタイムスケジュールで管理されており、1年間のサイクルを何度も経験することで仕事を覚え実践します。
そのため経理担当を育成するには数年の期間が必要となり、そのサイクルをクリアした人材は市場に出にくいです。経理担当者が急に退職すると、同等のスキルを持つ人材は、必要な時に簡単には見つかりません。

退職日によっては引き継ぎが困難

経理の業務では繁忙期が決まっています。月次では月初めの請求や入金管理、年次処理では年末調整の時期や決算期の時期などが繁忙です。経理担当者が繁忙期の直前に退職すると、繁忙期に入ってから後任者がその会社で初の経理事務を行います。繁忙期前に退職すると繁忙期の引き継ぎが困難となり、繁忙期のノウハウが分からず実務が上手く回らないことがあります。

仕事が属人化しており後任者に分かりにくい

経理事務は担当者に任せられることが多いため仕事が属人化しやすいです。そのため経理担当者が退職すると、属人化した事務処理方法が後任者に分かりにくいことがあります。

経理業務の引き継ぎで必要なこと

ここでは経理業務の引き継ぎで必要なことをお伝えします。

経理業務を属人化させないためマニュアルを作成

経理の担当者が長年勤務し退職した場合、属人化した業務があると認識を持ちましょう。
経理業務は同じ担当者に任せられることがあり、担当者独自のやり方で業務をこなしがちです。そこで経理業務の属人化による退職後の不具合を解消するため、引き継ぎ内容のマニュアル化が必要です。できれば退職のタイミングではなく、日常でマニュアルを作成することをおすすめします。

余裕のある引継ぎ期間が必要

経理業務は日常処理のほか、月次業務があり一連の流れをつかむには引き継ぎ期間を1カ月は必要です。最低でも1カ月のスパンで引き継ぎ期間がないと、後任者に引き継ぎ内容が漏れることがあります。労働法や就業規則に退職の取り決めがありますが、できれば退職する際は1カ月の期間を見てほしい旨の伝達を、日頃から経理担当者に伝えておくことをおすすめします。

仕事の目的を漏らさず伝える

経理業務の引き継ぎでは、マニュアルで作業を説明するだけでなく、その仕事の目的を漏らさず伝えることが大切です。経理業務は会社のお金を扱う大切な業務です。後任者が自分で考えて仕事をする手助けのため、引き継ぎでは仕事の目的や理由が重要です。

経理担当の退職は、他の業務にない業務の滞りを起こしがちです。急な退職はないに越したことはないですが、もしものときのために引き継ぎをスムーズにするための準備をしておきましょう。