経理業務のブラックボックス化はマニュアルの作成とノウハウの蓄積で防止!

経理

経理業務は単純業務が多く、標準化しやすいと思われていますが、実際は業務内容のブラックボックス化が起きている経理部門も多いのではないでしょうか?
今回は経理業務がブラックボックス化してしまう理由、ブラックボックス化させずにノウハウを蓄積してマニュアルを作成するポイントをお伝えいたします。

経理業務がブラックボックス化してしまう理由

経理業務は属人化しやすく、引き継ぎが困難であり不正も発生します。ここでは経理業務がブラックボックス化する理由をお伝えします。

経理業務の特徴

経理業務には日次、月次、年次などの時系列に合わせて特徴があります。繁忙期に合わせて要員計画を作成すると閑散期に担当者が余り、閑散期に要員計画を作成すると繁忙期には担当者が足りません。
経理業務の経験を積むと繁忙期と閑散期に合わせて柔軟に仕事の対応をします。経理業務の担当でないとスケジュール管理をどのように行っているか、分かりづらいです。
この特徴を担当者以外はつかめませんので、経理担当者任せとなりブラックボックス化します。

経理の専門知識が必要

経理業務は会計の知識や税法などの専門知識が必要です。専門知識は他の部署の社員にないことが多く、その知識を持つ社員だけ仕事を進めます。
そのため経理業務が属人的なものとなりブラックボックス化します。

特定の人が処理をしている

経理業務の特徴と専門知識が必要なことから、経理業務は特定の人が処理することが多いです。特定の人を担当から外すと経理業務が進まなくなるため、特定の人は異動することもなく経理業務がブラックボックス化します。

経理業務のノウハウを蓄積する方法

ここでは経理業務のノウハウを蓄積する方法をご紹介します。

マニュアルを作る

経理業務が属人化すると、他の人はどのように経理処理をしてよいか分かりにくくなります。
経理担当者によっては属人化した仕事を特権のように扱うかもしれません。もし属人化した仕事がある場合は、担当者が退職した際に進めることが困難になります。
誰が仕事をしても結果が同じになるようにマニュアルを作ることが大切です。マニュアルは新人が見ても仕事をできるように、分かりやすく作りましょう。

仕事を分散する

経理業務が属人化すると、担当一人で業務を完結する可能性があります。
属人化は不正につながりやすいし、休職や退職の引継ぎなどが困難となるため、なるべく仕事を分散しましょう。分散する体制を作りチェック機能まで持たせれば、複数の社員で経理業務を行えます。

ITにより自動化する

経理業務を人の手に任せるのではなく、ITにより自動化することも属人化防止に役立ちます。
ITの自動化を行う場合は、自動化できる仕事とできない仕事の切り分けが大切です。
経理業務には自動化できない内容がありますので、全てを自動化するのではなく、人手によるものが何かを確認しながら自動化を進めましょう。

h2>業務を属人化させないマニュアルの作成方法

ここでは経理業務を属人化させないマニュアルの作成方法をご紹介します。

使う人の立場になって作成する

最も大切なことは使う人の立場になって作成することです。マニュアルを使う人は、ベテランかもしれないし新人かもしれません。もし新人が使うことになっても、分かりやすく正しい処理ができるマニュアルを目指しましょう。

目的を記載する

経理業務は単調になりがちです。マニュアルがあれば目的を考えなくても業務を行えますが、システムの運用が変わった場合に対応できないかもしれません。
仕事の目的を記載しておけば、システムの運用が変わっても、柔軟にマニュアルを変更できます。

経理業務のチェックリストを作成する

マニュアルには仕事の進捗を確認するチェックリストを作成しておきます。仕事が済んだら終わりではなく、気をつける点などもチェックリストの項目に記載することをおすすめします。
チェックリストを作成することで仕事の漏れを防止でき、だれが業務をしても同じ結果にできます。

新人に使ってもらい不具合を探し修正

実際にマニュアルを使用し、経理業務に耐えるレベルにあるか確認します。経験者ではなく新人が利用することをおすすめします。経験者はマニュアルを読まずに仕事が出来るためマニュアルの不備に気づかない可能性があります。
新人ですと経理の流れや勘どころなどがないため、客観的にマニュアルが使えるか試せます。新人の利用により、分かりにくい不具合箇所を探し修正しましょう。

経理がブラックボックス化してしまうと、会社の財務状況を正しく把握できない事態が起きてしまいます。可能な限り、業務を見える化、標準化して、ブラックボックス化の防止に努めましょう。