経理にテレワークを導入するには何をすべきか?課題と解決策を解説

経理

経理のテレワークの普及率

ここでは総務省の「令和元年通信利用動向調査ポイントのテレワーク」に基づくテレワークの普及率をご紹介します。

テレワークの導入状況

テレワークを導入している、または導入予定があるのは約30%です。平成29年は約20%のため約1.5倍の伸び率です。テレワークにより企業運営に必要な支出が減らせることと、コロナウイルス感染予防による外出自粛や各イベント中止など社会情勢の変化が関係しています。

産業別テレワークの導入状況

全体では約20%で5社に1社がテレワークを導入しています。産業別の導入率では情報通信業が約47%と最も高く、金融保険業が約41%と続きます。
情報通信業ではパソコンで仕事の出来る場面が多いためテレワーク導入が進んでいます。制作物はインターネットで納品可能です。
製造業や建設業は約20%と平均に近く、運輸・郵便業は約12%と平均を下回っています。仕事の内容が営業や外回りのだとテレワークの導入率が少なくなります。

テレワークの導入形態

総務省はテレワークを、モバイルワーク、在宅勤務、サテライトオフィス勤務の3種類に分類しています。
モバイルワークではカフェや出先などで会社の仕事をします。令和元年は約60%で約3社に2社がモバイルワークの形態です。平成29年が約56%のため増加しています。
在宅勤務は令和元年は約50%で約2社に1社が在宅勤務の形態です。平成29年は約30%のため在宅勤務の伸びが大きいです。
サテライトオフィスとは本社と別の場所にある小規模な必要最小限の機能を持つオフィスのことです。 令和元年は約16%で、平成29年の約12%から若干の伸びです。

経理部門にテレワークが導入しづらい理由

会社の事業内容を問わず、経理部門はお金を扱う仕事のため必ず必要になります。しかし経理部門はテレワークが進んでいないのが現状であり、テレワークしにくい仕事とも言われます。ここでは経理部門にテレワークが導入しづらい理由をお伝えします。

経理の基本は紙

経理では仕事のベースが紙のため、紙に基づく処理で業務が進みます。経理には日常業務で多くの紙の商標類を処理し保管しなければなりません。経理業務では紙への記入や押印、そして確認などが中心業務となるため、テレワークで処理が難しく会社に出社し仕事をする必要があります。領収証や請求書などで電子化が進んでいますが、電子化に対応していない発行元も多いです。そのため経理部門ではテレワークの導入が進みづらい状況があります。

経理書類の発行元で電子化が進んでいない

領収証や請求書などで電子化が進んでいますが、電子化に対応していない発行元の取引先も多いです。経理は自社で済ませる仕事では調整しやすいですが、得意先と双方間で成り立つ仕事の場合が多いです。自社だけで完結出来ない仕事の場合は、取引先の経理データの電子化が進んでいないとテレワークにもつながりにくいです。

経理部門にテレワークを導入するポイント

ここでは経理部門にテレワークを導入するポイントをお伝えします。

テレワーク用のインフラ整備

社内で電子化を運用できるインフラを整備する必要があります。まずパソコンやインターネット通信、セキュリティ対策など実務に耐えるインフラを用意しなければなりません。
さらにテレワーク勤怠管理もできるようリモート用タイムカードも導入する必要があります。

経理業務のネックである紙対策

見積書や納品書、さらに請求書などは紙でなく電子データでやり取りする。また領収証は紙で処理することが多いため、現物の紙の保管と電子データの処理は分ける運用をおすすめします。ただし税務調査の際、証票の保管で問題が発生しないように、公認会計士や税理士などの専門家の力を借りて電子化を進める必要があります。

クラウドサービスの利用

クラウドサービスを利用する会社は増加傾向にあり、先の総務省の統計でも利用している企業の割合は6割を超えています。利用する用途はファイル保管やデータ共有で、その理由は社内にデータを持つ必要なないからが多いです。実際に利用して効果があったと答えた会社は利用企業の8割を超えています。

テレワークはまだ継続すると予想されるので、テレワークの導入を検討されている企業は今回開設したポイントを押さえて、働く環境を整えていきましょう。