経理アウトソーシングは会社規模に合わせて導入を検討しよう!

経理

経理アウトソーシングは会社の要望に合わせて、アウトソーシングする業務を選択できます。今回は大手企業・中小企業それぞれがアウトソーシングする際の注意点についてお伝えいたします。

大手企業、中小企業の違い

経理業務は会社の規模により処理する内容が異なります。大手企業では会社の規模が大きく海外支店や子会社など、中小企業と異なる経営体系を持ちます。

そのため海外取引やグループ子会社の業務の取りまとめ、さらにグループ全体の経営成績を明らかにする連結会計の業務を行います。
また大手企業は法人税の扱いも中小企業と異なるため、お金の流れを処理する方法も中小企業と異なります。

そもそも経理とは

経理とは会社のお金の流れを管理する業務です。経理業務は時系列により、出納業務や仕訳・記帳処理などの日常処理、月単位の給与計算や売掛金・買掛金などの帳簿残高を確定する月次業務、そして所得税を確定する年末調整や一年間の帳簿残高を確定し決算資料を作成・法人税を納税する年次業務に大きく分かれます。

会社のお金の流れを管理する業務に財務があり、財務では経理のデータを基 に会社の資金計画や資金調達などを行います。経理では日々のお金を処理する業務が中心ですが財務では経理の処理したデータを基 に業務を行う点が異なります。

大手企業と中小企業では 経理の基本は変わらないため、中小企業の経理業務を把握すると大手企業と中小企業に共通の経理業務を理解できます。さらに大手企業に特有の経理業務を理解すれば、大手企業と中小企業の経理業務の知識を網羅できるでしょう。

中小企業の経理

大手企業と中小企業では経理の基本は変わらないため、ここでは経理の基本である中小企業の経理業務についてご紹介します。

まず中小企業とは 中小企業基本法により定められた事業形態をいいます。中小企業は、製造業では資本金の額または出資額が1億円以下の会社か従業員の数が300人以下、サービス業では資本金の額が5千万円以下で従業員の数が100人以下など、規模の大きさで規定されています。日本の企業の内、中小企業の占める割合は99%以上となり大企業より中小企業の方が数は多い状況です。

中小企業の経理では、日常業務に出納業務、売上や仕入計上、そして領収証の処理などがあります。日常業務は会社のお金の流れの原始 取引を処理するので 間違いはないかチェックが大切です。日常処理に間違いがあると、月次処理や年次処理の数字 影響がでます ので、処理した結果に間違いがないか二重三重に確認します。

月次業務では、給与計算や請求書の処理、月末の帳簿金額の確定など月一回単位の業務を行います。掛取引の場合は請求書を発行し取引先に売掛金を請求します。また給与計算では従業員の一ヵ月 の勤怠を締め切り 残業代の計算により金額を確定します。給与では社会保険料や税金を計算するため 締処理に時間の かかることもあります。そして月次では 会社の事業の進捗状況を管理するため 月次決算書を作成します。

年次業務では、会社の期末時点の帳簿残高を確定し経営成績や財産・負債の状況を明らかにします。給与では年末調整により従業員の一年間の所得税を確定します。会計年度の決算業務は法律に定めがあるため必ず実施しなければなりません。年次業務は、 各帳簿を締め切り 財産や債務の実地調査を行い、決算書を作成する流れです。

中小企業の経理業務をアウトソーシングする場合は、日常処理、月次業務、年次業務それぞれで依頼が可能です。具体的には、記帳代行、振込・支払代行、請求書発行代行、年末調整代行など幅広く対応します。会社の予算や人員配置によりアウトソーシング を決定することが大切です。

大手企業の経理

大企業は会社法では資本金が5億円以上、また最終事業年度に関わる負債総額が200億円以上のことをいいます。大企業は社会に与える影響が大きいため、諸法律で多くの規制を受けており経理処理も中小企業に比べて複雑です。

大手企業の経理業務は部門として独立しているのが特徴で、経理部長、経理課長などの役職者が配属されます。経理部門では中小企業の経理業務より高度で専門的な知識が求められます。日常業務も分担業務で整理され 業務フローにより 人材による仕事の質のバラつきが少なくなります。

また大手企業の経理業務では日常処理に加え、出資者への情報開示が必要で有価証券報告書や決算短信などがあります。さらに大手企業の経理業務では、アウトソーシングの費用対効果や情報セキュリテイ 、そして従業員の心理的な抵抗などにより積極的な利用とはいえない ようです。

大手企業と中小企業の経理の相違点

大手企業では経理部門が独立しており、部門間の調整や経営層との連携も必要なため 情報の伝達のスピードが遅くなることも多いようです。中小企業の経理では予算の関係で、経理専属の人材を配置できず担当一人で経理と総務などの業務を行うことがあります。

また大手企業は税法、会社法、金融商品取引法、国際会計基準などに準じて経理業務を行い、中小企業では税法中心に経理業務を行います。

経理アウトソーシングでは大手企業と中小企業のどちらにも対応

経理業務は定型的であることが多いため、大手企業と中小企業のいずれも経理業務の一部を社外に依頼可能です。大手企業、中小企業、ともに社外に経理業務を依頼する方法として、「常駐型」・「派遣型」の方法で人材を雇い入れるか、経理アウトソーシングでオンライン中心かつ定期的に訪問のいずれかの方法を選択できます。

「常駐型」・「派遣型」では人材を会社の事務所で雇い入れることになるので、人の管理が必要になります。また経理アウトソーシングでは、経理担当者は常駐せず定期的な訪問のため人の管理が不要で経理業務に必要な経費も安くできます。

結局どちらを選べばいいのか?

経理業務を常駐の人材派遣で処理するか、経理アウトソーシングで処理するかは、最終的に会社の規模に応じて決定します。「常駐型」、「派遣型」の違いを念頭に 経理アウトソーシングの導入を検討してみてください。