スタートアップやベンチャーは経理担当者を社内に置くべきか?

経理

スタートアップやベンチャー企業は売上をあげることに集中して、コストはできるだけ抑えたいはずです。そのようなとき迷うのが、バックオフィス人材の採用です。今回は経理に焦点を当てて、スタートアップやベンチャー企業は経理担当者を社内に置くべきかどうかをお伝えします。

スタートアップやベンチャー企業のバックオフィスの状況

会社の規模が小さく、また創業間もない状態では、売上の拡大と利益の獲得に専念すべきです。本業第一で活動する会社のバックオフィスは一体どのような状況なのかを、ここではご紹介します。

利益が不安定のため間接部門に投資する余裕がない

バックオフィスの業務は、間接部門のため直接利益に貢献しません。そのため、バックオフィスをコストカットの対象と考えるのが一般的です。バックオフィスのウエイトが高くなるにつれ、固定費が増大し会社の利益を圧迫します。会社の投資は、利益を生み出す現業に対して行うべきで、利益に直結しない間接部門には行うべきでないといえます。

バックオフィスを軽視し資金の流れに悪影響が出ている

バックオフィスの業務は、コストカットの対象とすべきですが、バックオフィスを軽視し仕事自体を削ってしまうと、会社の資金の流れに悪影響が出るでしょう。

例えば、請求漏れや入金漏れが発生しているのに気づかず、さらに、過大な支払いや支払先の間違いなどが生じても、手を付けることなくそのままになることも考えられます。
特にスタートアップやベンチャー企業では、バックオフィスの業務がマニュアル化されておらず、さらに人手も足りないため現業の担当者が兼務している状況もあり、会計帳簿の精度は低いのが一般的です。

人材を育成する余裕がない

会社が小さい場合は、現業の担当者も経理業務を行うことがあり、バックオフィスに費やす時間も少ないです。資金面で余裕のないことは、先に述べたとおりですが、時間的にも余裕がなく、経理の担当として大企業並みのスキルを持つ社員を育成することは難しくなります。

スタートアップやベンチャー企業の経理担当者の仕事内容

ここではスタートアップやベンチャー企業の経理担当者の仕事内容についてお伝えします。

経理担当者の仕事は分業されていない

会社が小規模だと、経理担当者は数名程度で仕事を回しています。経理業務は、大企業のように分業されていないため、広範囲の仕事をする必要があります。
給与計算や請求・支払処理、さらに総務に関する業務など、幅広く行います。そのため、経理業務の精度自体、大企業の様に高く保つことが難しく、どの程度の精度を維持するかは、経営者の判断によるものが多いです。

資金繰りや税務の仕事も少人数で行う

経理の業務で、資金繰りや税務に関する仕事は、実務経験を要するもので、一人前になるには時間を要します。会社の規模が小さいと、経験を求められる資金繰りや税務の仕事にも取り組まなければならず、スキル不足で行った処理が、後々大きな問題となることもあります。ベテランの指導の元、余裕をもった経理業務を行うのは、難しいでしょう。

経理業務の精度をどのレベルに置くかはオーナーの方針次第

会社の規模が小さい場合、経理業務の精度を上げる目的で担当者を雇う余裕がありません。会社に大きな影響が出ない業務であれば、あえて手を付けない、という方法も小規模の会社では取られます。どれ位のレベルで経理の業務を行うかは、オーナーの方針によることが多いです。

スタートアップやベンチャー企業は経理を採用すべきなのか?

間接部門である経理業務に資金を投じる必要があるのかをここではお伝えします。

経理を採用せずアウトソーシング化する

会社の利益に直結しない経理担当者は、採用すべきではありません。経理の人件費は固定費であるため、会社の利益を圧迫します。スタートアップやベンチャー企業では、利益の獲得を目標とするため、経理担当者を採用せず、アウトソーシング化することをおすすめします。

・アウトソーシングの相場はさまざまですが、少ないもので月1,000円未満、多くて月20万円以下が相場です。経理の担当者を採用し、数年かけて仕事を覚えるよりアウトソーシングの方がコストはかかりません。
・アウトソーシングには経理のプロが在籍し、正確で素早い処理を提供しています。経理を採用しても実務経験の不足により、会計処理自体、正確さに欠ける場合があり、事務処理のスピードも遅いことが一般的です。
・そのため経理を採用せず、アウトソーシング化することで、コストカットにつながり利益の確保を実現できることでしょう。

まとめ

スタートアップやベンチャー企業は経理を外注したほうが、売上をあげることに集中できます。経理を含めたバックオフィス関係の業務はできるだけ外注して事業規模の拡大に集中しましょう。